前回の投稿で暗記に重要なのが「回数」、「リアリティ」、「結びつけ」ということを紹介しました。具体的に一つ一つ見ていきたいと思います。今回は「回数」について。

「ラッスンゴレライ」を皆さんは覚えていると思います。意味は分かりません。でも覚えています。なぜでしょう？
簡単ですね。「何回も聞いたから」です。

一つ目のコツは「回数」。意味が分かってもわからなくても、回数をこなせば脳は重要情報として頭に残す選択をします。これは筋トレの理論と似ています。運動神経がよくても悪くても、腕立て伏せをずっとやっていると胸の筋肉がついてきます。体がその負荷に耐えるように脳からの指令で強化されるからです。

では暗記のための反復を継続させるには何が有効でしょうか？

それは書く動作です。ただ書くではありません。回数を目標とした書く動作です。書く動作は「言う」や「見る」よりも『動き』が必要です。ここがポイントです。意識次第で結果は枝分かれします。理由は以下の通り。

一度自転車に乗れるようになると、しばらく乗っていなくても勝手に乗れてしまいます。自分の投球フォームは、しばらく投げていなくても残っています。ようするに認知記憶を『体験記憶』に書き換えると、ずっと残り続けるということです。回数は最低6回反復。ここでは話題がそれるので述べませんが、これは脳科学的に根拠のある数字です。

体験記憶に落とし込む前にみんなやめてしいます。「覚えるまで」という根性が今は皆無です。なぜなら今はとっておきのいい方法があり、頭のいい人が動画や知恵をアップしてくれている、という甘えが絶対子供にあるからです。これが以前投稿した学力低下の真の原因です。

まず『ノートを一冊つぶす』というなんとなく漠然とした目標を作ってしまいましょう。そして一定期間頑張って覚えたいこを書いて練習する。その際、「一日最低1ページ」とか負荷をかけます。ノートの3分の2まで到達したらしめたもの。「ここでやめてしまってはもったいない・・・」「せっかくここまで来たのに・・・」など、やめることに後ろめたさが出てきます。逆に「ここを乗り越えたら自分が強くなった気がする」とか「ここをやり切れば自分もできる人間の動きに近づける」とか先の見通しもつきます。ここが分かれ目です。

ここで前に進めると勝ち癖を自分に持たせられます。逆に辞めたら負け癖です。

今の時代「あの先生意味が分からない」「おもしろくない」と言いさえすれば、すべての責任を先生サイドに流し、自分の責任は逃れてゲームや動画ばかりに集中することができます。好き放題やってペナルティは無し。ようするに「覚える気がない」のが問題です。だから繰り返さないし、覚えない。これがまかり通った現実ではないでしょうか。反復しさえすれば出来るようになるのに、それはせずにゲームや動画ばかり。あとは責任は先生サイドに丸投げ。お父さんお母さんも頭が痛いところだと思います。

逆に取れば、こういう世の中だからこそ、ちょっとするだけで突き抜けることができます　。今こそねらい目なわけです。これを読んでいる中高生の皆さん。早速ノートを1冊購入し、伸ばしたい得意教科、あるいは克服したい苦手教科でノートを埋めまくってみましょう。のちの人生が変わると思います。


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