九州ええもん見っけ隊
(更新)
あっさり淡麗な『古からつ』と、力強き『窪田畜産』の黒毛和牛。相反する個性が引き立て合う、大人たちの愉しみ方。

「鳴滝酒造(佐賀県唐津市)の吟醸酒『古からつ』」 × 「窪田畜産(鹿児島県霧島市)の『黒毛和牛』」
鳴滝酒造は、唐津の「神田お茶の水」で仕込む『古からつ』を通じ、新鮮なイカの活き造りや繊細な白身魚を邪魔せず、その甘みを引き立てる「食中酒の完成形」を追求してきました。
対する、かき小屋匠ちゃんで提供している黒毛和牛を肥育している窪田畜産は、霧島の大地で育てた赤身の旨味が強い黒毛和牛を通じ、肉本来の野生的な力強さを届けています。
本来、淡麗な吟醸酒と濃厚な肉料理は「すれ違い」になりがちですが、双方の持つ「純粋な素材感」が噛み合ったとき、驚くほど芳醇な化学反応が生まれます。
土地の記憶を継承する二つの矜持が、今夜の食卓で深く共鳴します。
霧島連山の麓、広大な山々を駆け回って育つ窪田畜産の黒毛和牛。
彼らが大切にしているのは、牛を健康に育てるための「土づくり」と「牧草づくり」です。
自ら耕した地で育った牧草を食み、ストレスのない環境で育ったその身は、過剰な脂肪を蓄えず、赤身に旨みが凝縮されています。
口に入れた瞬間に感じるのは、脂の甘みではなく、噛むほどに溢れ出す「肉そのものの深いコク」。それはまるで、霧島の豊かな自然をそのまま食べているような野性味あふれる感動です。余計な味付けは必要ありません。
ただ軽く塩を振り、炭火や鉄板で炙るだけで、極上のご馳走へと姿を変えます。
そんな窪田畜産の黒毛和牛をかき小屋匠ちゃんで量り売りでの地方発送してくれるのが嬉しい。

『古からつ』は、日本酒の中でも「引き算の美学」を体現したようなお酒です。
本来、透き通るような白身魚の刺身や、ほろ苦い山菜の天ぷらと合わせることで、その真価を発揮する名脇役。豊臣秀吉も愛したという名水「神田お茶の水」を仕込み水に使い、低温でじっくりと発酵させることで、雑味を削ぎ落とした透明感のある酒質に仕上げています。
華やかで派手な吟醸香をあえて抑え、あくまで食事の邪魔をしない。その控えめな佇まいこそが、素材の味を最大限に輝かせる秘訣なのです。
冷やせば喉を駆け抜ける清涼感を、ぬる燗にすれば米の持つふくよかな甘みを感じられる、職人気質の一本です。

黒毛和牛のリブロースを使用した黒毛和牛ランチと吟醸酒「古からつ」を実食。
「あっさりとした和食のための酒が、脂ののった黒毛和牛と合うのだろうか?」……そんな疑問は、一口目で霧散しました。
焼いた黒毛和牛の力強い赤身の旨味が舌に残っている間に、『古からつ』を合わせると、酒の持つ凛とした透明感が口の中の脂をスッと洗い流すと同時に、肉の余韻を引き立てるのです。
脂っぽさを流すのではなく、肉のコクを「酒の旨味」が補完し合うという感覚。
繊細な白身魚を活かしていた名脇役が、今度は脂の強い肉を見事に受け止め、奥行きのある世界を作り上げていました。
これは、日本酒好きには堪らない、新しい発見です。

今回の取材で学んだのは、「合うはずがない」という思い込みこそが、食の楽しみを狭めてしまうということでした。
繊細な和食を彩る『古からつ』の包容力と、霧島の大地が育てた『窪田畜産』の骨太な肉。
この対極にある二つが出会ったとき、私たちの食卓はもっと自由で、もっと豊かになるはずです。
週末は、ぜひこの意外な組み合わせを試してみてください。
あなたの舌で、唐津と霧島の新しい物語を感じていただけるはずです。
かき小屋 匠ちゃん
所在地:鹿児島県霧島市国分川内513-1
電 話:0995-73-8879
ジャンル:各種牡蠣・魚介類・黒毛和牛・各種定食
アクセス:東九州自動車道国分ICより2.4km
営業時間:11:00~15:00 ランチ
17:00~22:00 ディナー
定休日:不定休
備考:店内営業・地方発送
鳴滝酒造株式会社
所在地:佐賀県唐津市神田3272-1
電 話:0955-74-3125
ジャンル:清酒、焼酎、リキュール製造販売
アクセス:唐津伊万里道路 唐津千々賀山田IC
より約13分
備考:オンラインストア
https://store.shopping.yahoo.co.jp/narutaki/
取扱店舗
※取材時点の情報です。掲載している情報が変更になっている場合がありますので、詳しくは電話等で事前にご確認ください。